筋トレをする際の監督者の割合で成果が違う?
訪問して下さりありがとうございます。
自分の趣味が筋トレであり、今回は筋トレについてと、リハビリでの集団体操に活かせそうな論文を見つけたので紹介していきたいと思います。
「Influence of supervision ratio on muscle adaptations to resistance training in nontrained subjects.」
PMID: 19661830
ランダム化比較対象試験
【PECO】
P:非トレーニング実施者200人(後に除外76名)
E:筋力トレーニングを監督:被験者の割合が1:5の場合(HS群)で実施
C:筋力トレーニングを監督:被験者の割合が1:25の場合(LS群)で実施
O:筋力の増加量は高くなるのか
※1次アウトカムか→1次アウトカム
ITT解析されているか→されていない(除外が多く、バイアスがかかる可能性あり?)
被験者、監督ともにランダム化されている。
【方法】
18歳以上の健常かつ今までトレーニングをやったことがない男性を対象に実施。HS群、LS群ともに被験者は25名で1グループ、各群4グループで実施。 11週間にわたり、2回/週、メニューA,B,C(TABLE1参照)を繰り返し行っていく。各種目は8-12回実施。筋力については介入1週間前と11週介入後5-7日後にベンチプレスの1RMでの負荷量、バイオデックスを用いた膝伸展筋力を計測。
【結果】
ベンチプレス(単位:kg)
0週 HS群:56.6±10.94 LS群:60.87±14.18
11週 HS群:65.6±11.11(p<0.05 vs LS) LS群:67.09±12.82(p<0.05 Vs 0週)
膝伸展筋力(単位:kg)
0週 HS群:212.21±41.13 LS群:235.68±31.34
11週 HS群:236.96±38.91(p<0.05 vs LS) LS群:238.46±38.62
ベンチプレスについては両群ともに有意な増加(LS:10.22%、HS:15.9%:p<0.05)を示した。
膝伸筋トルクについてはHS群で有意な増加(11.8%:p<0.05)を示した。
【感想】
解析の結果から、さらに「HS群の被験者の74.19%およびLS群の被験者の36.07%が、ベンチプレス運動において最大強度で訓練されたと推定された。脚部運動では、HSで17.74%、LSで9.68%が最大反復で訓練を受けた。」とされていました。しかしながら、除外者が多く、データの偏りがみられる可能性があるのではないでしょうか。また、被験者に対する監督の関わり方については明記されておらず、場合によっては被験者と監督との接触頻度や話し合われる内容によっても筋力に変化がもたらされるのではないかという疑問があります。逆にマンツーマンで行う場合など、被験者が5人よりも少ない場合についても気になるところではあります。
また、リハビリに関しては集団体操を行うこともしばしばあります。その際の人数配置によっては今回の研究同様に、上下肢の筋力向上ないし、ADLの能力向上にも貢献できる可能性があるのではないでしょうか。このあたりについては研究をしていく必要があると考えられます。